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果報は寝て待つ? [出会う]

 出会い方もふうちゃんとは対称的なクキたん。何もせずに待つのもこれもある意味でねこぢえ

 2003年は梅雨が長く、7月下旬になっても曇りがちの肌寒い日が続いていました。そんなある日、近くの遊歩道のブランコのそばで仔猫を見つけました。ブランコの下には、子どもがケガをしないようにと薄いじゅうたんのようなものが敷いてあり、舗装路よりはわずかでも暖かいかも知れないその敷物の隅にうずくまっていたのです。そういえばその前の晩、ブランコに高校生くらいの女の子がふたり並んで座って、ひとりが仔猫を抱いていました。なぜか「可哀想に・・・」といいながら。たぶんそれがこの仔猫。女の子たちも連れ帰ることができなかったのでしょう。

 買い物をして戻ってみたらまだ同じところに同じようにうずくまっていました。「もしかして死んでる?」とおそるおそる触ると、動いて、ちゃんと生きていました。でも立ち上がってゆっくり数歩歩いて見せたものの、またうずくまってしまうのです。毛はぼさぼさ。目ヤニだらけの顔。私はいったん家に帰ってから出掛ける予定でした。「このままでは死んでしまうかも。でもうちにはふみがいて、もしこの子が病気だったらふみにもうつるかも知れないし、私はもうちょっとで出掛けないといけないし、どうしよう・・・。」悩みながらも一度はその場を離れた私。でも・・・。

 出掛ける支度をしながら、私は決心しました。「あの子は弱っていてもう死んでしまうかも知れない。それならせめて少しでもごはんを食べさせて、暖かいところで死なせてあげたい。」そして仔猫を連れに行きました。そっと抱き上げてもあまり抵抗もしない仔猫。「うちの子になる?」異論はなさそう(笑)いったん屋内に入れて拭いていたら、異変を察知したふみがわざわざ近くまでやってきてシャーシャー怒りだしました。病気かも知れない子とふみを一緒には出来ないので、たまたまあった発泡スチロールの箱にタオルを敷いて仔猫を入れ、ふみが自力で行くことが出来ない屋内車庫に置きました。そして出先にいたダーリンに電話して短く事情を伝え、私は出掛けました。

 帰ってきたら、ダーリンは渋い顔。「あの猫は臭い。今すぐ洗って。」「こいつは片目がないぞ。」目ヤニだらけだったので、彼に言われるまで、私は片目がみえない(眼球ごとない)ことに気づいていませんでした。でも後戻りは出来ない。こんな弱ってる子を洗って大丈夫かしらと思いつつ、目ヤニと、鼻水だらけの身体を洗いました。すると彼はさらに言います。
「どうするつもりなんだ。もし病気だったらどうする?」
「そうしたら、ふみと一生隔離して育てる。」
「そんなことできるわけないだろ?」
「でもそうするしか・・・。」

 翌日、病院に連れて行って健康チェック。体重は760g、生後3ヶ月くらい(推定)。猫エイズなど病気のチェックをしてもらったところいずれも陰性。それでひと安心・・・のはずが、ごはんはなかなか食べないし、トイレは覚えないし、トラブル続出・・・。それはまたいずれ。

 うちの近所は野良猫だらけで、茶トラ、サビ、白黒、ブチなど柄もさまざま。柄もきれいで可愛い声でなついてくる子もいます。そんなノラにゃんを構いながらダーリンはこう言って笑います。
「どうせなら、もうちょっと選べばよかったのに。」
 確かにクキは柄はめちゃくちゃだし、片目はないし、条件としては最悪。もしそうでなければ里親探しをしようかとも考えていたのですが、これじゃあ無理だろうなと。実は彼はクキが来る前、次に猫を飼うとしたらロシアンブルーがほしいといって、ペットショップでロシアンをのぞいたりしていたのです。でも買う気はあまりなさそうで、「ロシアン落ちてないかな?」なんて言ってましたけど。クキたんとロシアン、かなり違いますね(笑)

 私だって選べればもっと考えたでしょうが、あの時は新しい猫を探していたわけではなく、保護せざるを得ない子がそこにいたわけで、他の子と比較するような状況ではなかったのです。クキがもうちょっと元気があったら、気候がもうちょっとよかったら、他に飼ってくれそうな人が通りがかっていたら、ちがった運命もあったかも。そう思うと出会いは不思議ですね。

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コメント 4

ありえす

3ヶ月くらいで、himikaさんちの子になったのね。
それまでに色々辛いことあったんだろうなぁ・・・きっと。
がんばったねクキたん。
himikaさんが連れ帰ってくれて本当に良かった。
うちの末娘もそうだけど、出会うタイミングってあるよねぇ。
なるべくして「うちの子」になってるのかな・・・と思いませんか?
by ありえす (2006-03-24 00:39) 

himika

>なるべくして「うちの子」になってるのかな・・・と思いませんか?
おっしゃるとおり、なるべくしてなったんでしょうね。
気になるにゃんこはたくさんいるけど、全部ってわけにいかないもんね。

2にゃん合わせても0円ですから、我が家はロシアンブルーって柄じゃないんでしょうね、きっと(笑)
by himika (2006-03-24 21:51) 

tieta4u

よかった、よかった、本当によかったです。今までであった沢山の野良猫、めんどうを見れなかった子たちのほうが多いから、こういうお話を読むととても嬉しいです。
by tieta4u (2006-03-26 06:17) 

himika

★tieta4uさん、ようこそ!
>今までであった沢山の野良猫、めんどうを見れなかった子たちのほうが多いから、こういうお話を読むととても嬉しいです。

ありがとうございます。
うちの近所にも野良にゃんはたくさんいて、私も気にはなっても何もできていないのが現実です。
クキたんは(ふみもですが)特別な出会いをした子だと思っています。お外の野良にゃんにも特別で素敵な出会いがありますようにと願いたいですね。
by himika (2006-03-26 22:28) 

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