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かわいそうなのは・・・

 直木賞作家の板東眞砂子さんが日経新聞に書いたエッセイが波紋を広げているらしいです。昨日、職場でなにかそんな記事をみかけて気になっていたら、今朝の朝日新聞にも関連記事(小池環境相がコメント)が載っていました。原文を見ないで色々言う訳にはいかないので、夫がとっている日経の古新聞からその記事をみつけました。2006年8月18日付、日本経済新聞のプロムナードというコーナー、タイトルは「子猫殺し」、著者は作家・板東眞砂子。

 タヒチにお住まいの板東さんは猫を3匹(いずれも雌)飼っていて、その子たちに盛りがついて子猫が生まれると、家の隣の崖から放り投げて殺すのだという。自然に還るのだから、環境には問題がないと。そうしている理由を「雌猫にとっての「生」とは盛りがついた時にセックスして子どもを産むことではないか。」と述べています。避妊手術自体は否定はしていませんが、「子種を殺すか、できた子を殺すかの差だ」と、避妊手術も子猫を殺す権利も人間にはないけれど、愛玩のために動物を飼うならば飼い主が納得した方法を選択するしかなく、「それに伴う殺しの痛み、悲しみも引き受けてのことである」と締めくくられています。

 確かに、うちの猫たち(ともに雌)に避妊手術を受けさせる時には私もかなり悩みました。この子たちと暮らしたいという、私の勝手な願いのために、痛みを与え、しかもいったん手術をしたら後戻りはできないわけですから、一生この子たちが母になることはない、それでいいの?と。でも、一歩でれば車がしょっちゅう通る道。この子たちを外には出せないし、盛りがついている子を閉じこめるのは可哀想(実際、ふうちゃんの時は発見時、生後半年近かったので盛りがつき始めていて、待ったなしの状態でした。)というのを実感したので、「そのかわりに一生大事にするからね」と言って泣きながら病院に連れて行ったのでした。

 うちの近所にも野良猫がいっぱいいて、子猫もたくさん生まれています。でもしばらくすると姿が見えなくなる子も多いです。事故にあったり、カラスにさらわれたりしてるのかも。猫にも性を謳歌する権利があるといえばそうかも知れないけれど、もしそうなら生まれた子たちにだって性以前に生きる権利があるはず。それを生まれてすぐに崖から落とすというのは、私自身はやっぱり受け入れ難いものがあります。

 人の意見はさまざまですから、正解というものはないかも知れません。ですから、「私がこう思う」を人に押しつけるつもりはないのですが、板東さんのような考え方には「私はノー」と思っていたいと思います。

 避妊手術と子猫殺し。どちらがより「かわいそう」だと思われますか?

ニュース記事より
「子猫を殺している」板東眞砂子さんのエッセイが波紋

板東眞砂子さん「子猫殺し」コラム、掲載紙に抗議殺到

「子猫殺し」エッセイ「残念」 小池環境相がコメント

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コメント 6

ホント、辛い話だと思います。
ただ言えるのは、人間の手であやめてはいけないと言う事。
人間が勝手に決めた「枠」そして、その枠を「弱い者」と決めたならば、私は守らなくてはいけないと思う。人の手で守る、同じ命なのだから。まして、法律では猫は「保護動物」なんですからね。
この人によって連鎖反応が出ない事を祈ります。
by (2006-08-26 16:58) 

plot

我が家の猫達には、去勢・避妊手術を受けさせてきました。それは人間の生活と共存してもらうためでしたが、結果的に猫達にとっても負担が少ないと勝手に納得してきました。「人間にはない」権利を行使してきたことになります。苦労して野良猫に避妊手術を受けさせている人々もいます。餌を与えるならそこまで責任を持とうと考えるのも自然です。単純化してしまうと子猫を殺したくないから避妊手術を選択するということになると思います。
それは今の私達にとっては自然な選択ですが、動物を殺すことで成り立つ人間の生活も文化もあります。カルロ夫妻は鳩やウサギも飼っていますがそれらはペットではありません。家畜とペットの違いは人間との関係だけです。子猫殺しと避妊手術、どちらがより残酷かの議論はあまり意味が無いのかも知れません。どちらも残酷なのですから。人間との共存、特に都会暮らしではその過酷な運命を受け入れてもらわざるを得ないというのが現実だと思います。
by plot (2006-08-26 17:28) 

himika

★ビッケママさん
>ホント、辛い話だと思います。
>ただ言えるのは、人間の手であやめてはいけないと言う事。
崖の下で怪我をして、おっぱいももらえないまま死んでいく子猫を思うと、本当につらいですね。

>この人によって連鎖反応が出ない事を祈ります。
そうですね。小さな命も命ですから、大切にしたいですよね。
その一方で、過激な反発が出るのも心配です。
動物を愛する私達は誰に対しても穏やかにいきたいですね。
by himika (2006-08-26 18:47) 

himika

★plotさん
この記事を書いたあと、plotさんの愛猫シャコちゃんが亡くなったと知りました。そんな時にこんな記事でごめんなさい。

>我が家の猫達には、去勢・避妊手術を受けさせてきました。
>単純化してしまうと子猫を殺したくないから避妊手術を選択するということになると思います。
理由もわからずに手術を受けさせられた猫たちのことを思うとつらいですね。でもそれがベストではないけれどベターな選択肢だと信じています。

>家畜とペットの違いは人間との関係だけです。
人間が生きていくために命をいただくことと、生まれてしまったけど育てられないから殺すのとは少し意味が違うような気がします。
それでも殺すことには変わりないですね。難しい・・・。
そこを突き詰めていってベジタリアンになった友だちもいます。
私はまだそこまではたどり着けていませんが。

>子猫殺しと避妊手術、どちらがより残酷かの議論はあまり意味が無いのかも知れません。どちらも残酷なのですから。
どちらも残酷と知った上で、飼い主が選択することになりますね。
重い選択です。
by himika (2006-08-26 18:55) 

ありえす

この問題、SNSでも物議を醸しています。
きっこさんという方のブログでも書かれていますが、おおかたの人は彼女を否定的に人によっては「鬼畜」とまでののしっています。
避妊と生まれた命を消す事は同列では語れない。猫にとって子を産む事は種の保存の為、産みたいだろうと彼女はいっていますが、そんな思いが猫にあるはずもなく、自然の摂理です。
ですが、産んだ子に対する母性本能はあるはず。
そして、産んだばかりの子猫を取り上げられれば、母猫は又すぐに妊娠可能となり、なんどもなんども短いサイクルで妊娠出産を繰り返すハズです。
それは母猫(母胎)の命を縮める事に他ならない、家猫は野生動物ではありませんし、彼女のしている事は自然淘汰でも、もちろんないワケで。
極めて手前勝手な屁理屈、筋も何も通らないというのが多くの意見です。子犬も同様に殺していて、3匹飼っている犬の扱いも、私にはまともとは思えませんでした。
売名行為、人に注目されたいが為の行動としか思えず、この人に罰を与えて欲しいと思うのみです。
by ありえす (2006-08-29 20:40) 

himika

★ありえすさん
>避妊と生まれた命を消す事は同列では語れない。
そう思います。
どんどん生まれる子猫を全部面倒みれるのでないなら、避妊はやむを得ない選択と思います。生まれてしまった子を捨てたり、ましてや殺したりしたくないからこそのつらい選択です。

>そんな思いが猫にあるはずもなく、自然の摂理です。
>ですが、産んだ子に対する母性本能はあるはず。
>家猫は野生動物ではありませんし、彼女のしている事は自然淘汰でも、もちろんないワケで。
猫の思いは本当のところはよくわからないし、単なる繁殖のための行為かどうかもわからないし、子猫に近づくものを威嚇する行動も愛情なのか本能なのかわかりませんが、いずれにしても「猫を飼う」こと自体が自然に反することな訳で、避妊もその延長上にあるのだと思います。飼い猫になったがゆえのマイナス要因もあるけれど、外猫でいることのリスクと比べたら格段にプラス要因が多いと思います。

色んな意見の人がいるものだとは思いますが、生まれた子猫を「殺す」などというおぞましい行為を行う人が増えないように願うし、そもそもそういう人(自分の猫は可愛いけど、それ以外は殺してもOKという)が猫と暮らすのは遠慮していただきたいなと思いますね。
by himika (2006-08-29 23:47) 

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